プロ家庭教師をプレゼント

「子どもは動物と同じだから幼いうちに、ムチで善悪を体に叩き込むのだ」と自分の子どもを人間扱いしないお母さんもたまにいます。
数年まえですが、あの世界的に有名なボリショイサーカスの名女性調教師の話を聞いたことがあります。 彼女はムチを振るって。

猛獣のライオン一O頭ほどを自由に動かし、いつもすばらしい演技を見せてくれます。 彼女はこういいました。
「ムチで動かすなんてとんでもない、あれは次にする演技を音で合図しているのです」ムチを振り回していると、なぜだか分からない人々は、大きな勘違いをするものですね。 それから彼女はこう話しました。
「高校を出た娘が私のような調教師になりたいといってきたとき、私が父から教わったとおり娘にさせました。 しつけは愛と信頼と根気を持ってしなさいと」そして、生まれたばかりのライオンの子どもと娘を、一緒に同じ部屋で同じワラを敷いて、文字どおり寝食を共に六カ月、子ライオンとまるで母子のように同居生活をさせたそうです。
途中で娘が体調を崩して寝込んだときなど、子ライオンは心配そうに娘をなめまわし看病してくれたという話でした。 兼業主婦とか専業主婦などと妙な心ない言葉があります。
働きながら子育てをしているお母さんや、子育てに専念できる立場のお母さんのことをいうのでしょうか。 実際は専業といっても妻業に加え炊事、洗濯、掃除といった家事業に、子育て教育業、買い物業に近所づきあい社交業など、並べるととても専業などとのんきな見方はできません。
もともと主婦業は兼業そのものの仕事でした。 ですから家政婦業は、一般的に普通の事務系統に比べて倍以上の報酬になっているのも当然でしょう。
それだけ仕事が大変だからです。 それに比較すると男性の仕事はほとんどの人は専業です。
もっと主婦業の中味を兼業で肩代わりしてほしいですね。 ちかごろ、兼業主婦がそれぞれの理由で、さらに仕事を加えもつお母さんも多くなりました。

兼業です。 とくに乳幼児を育てながら働くお母さんは、本当に心身共にくたくたになって仕事を続けているようです。
一日は二四時間しかありません。 外での仕事で八時間、通勤に三時間、家事に四時間とすれば、子育てに回す時間は三時間ほどとなり、休む時聞は六時間足らずとなります。
これでは健康を維持できなくなるのも当然です。 歴史的に見ても、子育てはその社会全体がかかわる大事業でした。
小さくても部族、大きくなれば国全体の問題で、一人ひとりの子育てが失敗すれば、その民族の浮沈につながる大事だったからです。 いまのように、子育てを個人のプライベートな問題としていたら、民族や国は必ず減びてしまうと、当時の指導者は考えていたのでしょう。
おくればせながら気づいたのか、関係機関もそれなりに保育所を増設したり、労働時間の短縮とか、育児休暇などを増やしたりしていますが、まだまだ不十分です。 毎年、少子化の荒波が、社会の基盤を洗い崩しているという現実を軽視しているのです。
それも子育ての支援というと、どうしてか経済と設備環境の改善となっていきます。 まあしないよりはましかと思いますが、お金と設備さえ増やせば何とかなるという考え方は、安易で文字どおりグ情けない。
話です。 たまに子育て支援といえば、他人の子どもを叱ろうなどという発想です。
たぶん、他人の子育てにケチをつけ、アラ探しの監視を強化しようということでしょう。 いまは、バスや電車の中で、赤ちゃんや幼児を連れて無理して立っているお母さんを見だれ一人席を譲る人はいません。

このようなとき、もっと社会全体が子育てをしているお母さんたちに愛情と好意を持って手助けしてあげれば、お母さんたちの子育てもより楽しいものになると思います。 実は、少子化問題の底にあるのは、社会を構成する個人個人の心の冷たさ、温かい心のまん欠乏ではないでしょうか。
「人のことなど、かまっておれるか」という考え方と行動が蔓延しています。 それで社会が冷たくなったのでしょう。
でも、だからこそ、お母さんにがんばってほしいのです。 温かい心を持った子どもを育ててください。
心の豊かさは乳幼児期に決まります。 お母さんが注いだ愛の大きさが、そのまま子どもの心の大きさとなります。
その子どもたちが成人したとき、一人ひとりの力は弱くても、社会全体となれば大きな力になります。 二O年後の温かい社会をいまのお母さんの子育てでつくれます。
子育ては、そのときどきの社会風潮に迎合するより、心温かい社会をつくれる子どもに育てれば成功です。 その子どもは必ずお母さんも幸せにしてくれます。
「お母さんが子どもを温かく育てる。 お母さんをお父さんが温かく支援する。
また社会もその家族の子育てを温かく見守り応援する。 やがて成人した子どもは温かい社会が必要とかけても、する役割を果たす」この循環がいま求められているのです。
つい先日、すてきなお母さんの話を聞きました。 著名な俳優のH・R さんのお母さんです。
お父さんのおおらかなサポートに包まれて、そのリベラルな考え方を子育てにも、自身の生き方にも実行された見事な人でした。 このお母さんが、子どもたち(男子三人)に、どれほど慕われていたことでしょうか。

H・Rさんが俳優座に入る二年前の一七歳のとき、お母さんがガンで亡くなりました。 まだ五O歳の若きでした。
子どもたちは知らなかったのです。 びっくりした子どもたちが枕元にかけつけると、お母さんはすでにこときれていました。
末っ子だったH・Rさんがそばによると、上のお兄さんがお母さんの胸をはだけ、一二人でお母さんのオッパイにしがみつき、わーっと一緒に泣きだしたそうです。 子どもへの愛を形にして伝える知恵このごろ不安情報がありすぎるせいか、幼児の熱が三七度になった大変だ、一日便が出ないどうしよう、子どもの目にゴミが入ったようだと慌てて救急車を呼び、病院にかけつけるというような、子育て中に何かといえばお医者さんを頼るお母さんが多くなりました。
ある小児科医によると、子どもの病気で救急医療が必要なのは、救急車で来た子どもの約三五%で、あとは、昔のお母さんなら家庭で治していたような軽いものがほとんどだそうです。 教育の中で相当な知識を授かったはずの若いお母さんが、意外に知らないのが子育ての知恵です。
核家族化のせいもあってか孤立した子育てが多く、子どもを生んで初めて、赤ちゃんを見たり触ったりしたというお母さんもいます。 これでは育児力の低下などというより育児力喪失です。
子どもを産み育てると決めたときからお母さんは子育て一年生になったと思いましょう。 自然は、お母さんに子どもの命と心と体を委ねたのです。
一OO万年前の情報ゼロの時代から、お母さんたちは自分なりに勉強し育児力を高めてきました。 それがなければいまの私たちは存在していません。
知識は行動して確かめ、実証したよいものが知恵として残ります。 育児力はこの知恵の積み重ねから強くなります。

お母さん、知恵を集めましょう。 子育ての知恵、食物の知恵、病気や健康の知恵、心の育て方の知恵などです。
知恵はあまり深くは必要ありません。 あるていど最低限の知恵でいいのです。
ただ大事なことは専門家に聞いてよく調べましょう。

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